恋愛パロディ小説 親友〜BEST FRIEND〜 Black cat 彼は、眠っていた。 心地よい微風に吹かれながら、木陰で眠っていた。 ――トレイン君―― ふと呼ばれたように思い、彼はゆっくりと目を開けた。そして、苦笑する。 あいつがいなくなって二年。あいつも思い出してこんな気持ちになるのは久々だ。 (まだ、忘れられないってことか…。) 茶色い髪、金色に光る瞳、鈴のチョーカー、そしてサーティーンのタトゥ。「トレイン=ハートネット」。それが彼の名前である。トレインは、数多の要人を暗殺し、「不吉」の象徴として闇の世界に君臨した伝説の殺し屋。クロノ・ナンバーズ、サーティー 「Black cat」。 でも、それは過去の話。今、彼は掃除屋をやっている。陽気で明るいトレインであるが、時折過去の彼が顔を覗かせる。 トレインはまぶたを閉じ、また眠り始めた。 それは、夢の中だった。 ――気ままな野良猫暮らしが性に合ったってだけっスよ。―― ――トレイン君ってさ、笑わないんすよ!ち〜〜〜っとも!!―― ――自分の生き方に満足してたら、自然に笑えるはずだもん。―― ――トレイン君は、私と同じタイプの人みたいな気がするんだよなァ。―― 彼女の言葉が頭に響く。トレインが今、笑っていられるのは彼女がいたからだった。 (……サヤ…) トレインは、無言で彼女の名前を呟いた。 彼女は、ミナツキ サヤ。女掃除屋。明るく元気で自由な奴だった。 そんなサヤの生き方に憧れた。そんなサヤの笑顔がトレインを癒した。 一緒にいるうちに好きになった。愛していた。それは、今も変わらないようだ。いつからだったのだろう。気がついたらサヤに対する愛があった。それは、出逢った時からかも知れない。 しかし、その思いは伝えられないまま、ここに残った。 「伝えなくていい。」そうトレインは思った。伝えることによって、サヤの自由な生き方を崩してしまいそうで、サヤとの距離が離れてしまいそうで、恐かったから。 ……価値感のよく似た親友………… そうやって自分の気持ちを隠した。 それでよかったと今も思っている。だが、実際の所どちらが正しかったのか分からない。 ――――!? 当たり一面真っ白な夢の世界に薄っすらとそして、だんだんはっきりと人影が浮かび上がった。 『…サヤ………!』 その人影は、サヤだった。トレインは驚愕のあまり、彼女の名前を口にした。 今までは、サヤの声しか聞こえなかったのだ。一度も例外はなかった。彼女がいなくなってからは。 サヤは、にこりと笑うと口を開いた。 『ありがとう、トレイン君。トレイン君の気持ちが、伝わってきたよ。』 彼女はトレインを見つめ、続けた。 『もう、会えないけどね。私は、トレイン君の傍にいるから――――――――。』 そう言って、彼女は白い世界へと消えていった。そして、トレインは現実世界へと引き戻された。 「トレイン!」 トレインはまぶたを開き、大きくあくびをした。 「ふわぁ〜……よっ、スヴェン。」 「たく、こんな所で昼寝なんかしてたら風邪引くぞ。」 スヴェン――トレインを起こした眼帯をしている男――は、嘆息しながらそう言った。 「ヘーキ、ヘーキ。姫っちは?」 「宿で本読んでるよ。宿に戻るぞ。次の仕事の話しがあるからな。」 「おう。」 そう言って、トレインは跳ね起き、スヴェンと一緒に宿に向かった。 ――トレイン君が私を忘れない限り―― (忘れるわけねぇーだろ。) ― 親友〜BEST FRIND〜 完 ― +あとがき+ 幻想郷キリ番、Thank you 3000Hits!! パロディは難しいですねぇ…。上手く書けません。しかも、恋愛。パロディも恋愛も初めててがけたからねぇ…。時間がかかったよ。 **お礼の言葉** キリ番踏ませていただき、ありがとーでした^^ トレイン小説、めっちゃ嬉しいです!恐る恐る、BCで書ける?って聞いたかいがありました!! トレインとサヤさん大好きですvはうv素敵なお話です〜v 特に、トレインにドキドキでしたv 今後もよろしくお願いしますね☆ |
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