クッキー
マシュマロ
キャンディー



色とりどりの可愛いお返し差し上げます。



Pure
white


天国は両手に抱えたカラフルな包装紙のはみ出た紙袋に半ば埋もれながら三年の教室棟を回っていた。


「えーとですね」

丁度良く鶫と撫子の二人を発見した天国は挨拶もそこそことりあえず抱えていたものを床に下ろす。
「本来は白いマシュマロらしいんですけど、色んな説があるじゃないですか。バレンタインは主流チョコだから良いけどホワイトデーだとどれをあげたら本命だとか義理だとかって人によって違うでしょう?」
「ああ、確かにな」
「そうですわね」
鶫と撫子は天国の言葉に相槌を打って。
「そういうの気にしてたらめんどくさくなったんでとりあえず詰め合わせにしてみました」
そう言って天国は紙袋から二つ綺麗にラッピングされた『詰め合わせ』を取り出して。
「ケーキ美味しかったです。柿枝センパイ、夜摩孤センパイ」
「猿野が教えてくれたからな」
「洋菓子もなかなか楽しかったです」
「まあそんな訳でお返しです」
二人に包みを渡しつつ。
「種類的に三倍返しって感じで一石二鳥と思うんですがどうでしょう」
そうにこやかに言う天国に鶫と撫子は顔を合わせて楽しそうに笑う。
「良いんじゃないか?何か凝ってるしな。アタシは嬉しい」
「わたくしも嬉しいです。もしかして全部包装変えてますの?」
「あれ、気付きました?手間だけはかけてみました」


プレーン・ココア・チョコ・フルーツ。
結構な種類のクッキーは可愛らしい箱の中。

白とピンクのマシュマロは籐で編んだ籠の中。

キラキラ光るキャンディーは食べやすいように一つ一つ包装して瓶の中。
細長い棒状キャンディーも入っていて。

それらをまとめて半透明な袋に入れてすべて違う色のリボンで結んで。


「まあ、不味くはないと思うんで。じゃ、オレ行きますね」
天国はそのまま二年の教室棟へ行くべく階段を下りていって。





「…二年遅く生まれてたらあと二回こういうの貰えたのに…」
「…卒業してからでもあげたらお返しくれるんじゃないかしら?」

そんな会話が交わされていたのを知る由もなく。










「あ、桃坂センパイに栗尾センパイ!」
「あれ、猿野」
「何なにお返し?」
かの子の言葉に天国は笑って頷く。
「はい。バレンタインには力作貰っちゃいましたから」
そう言って二人に包みを渡して。
「わ、すっごいおいしそー」
「キレーvv」
嬉しそうな反応に天国はくすくすと笑って、その天国に未月とかの子は仄かに頬を染めて。
「喜んでもらって嬉しいです。じゃあ、また部活で。先輩たち」
そして天国は階段へ。





「…来年も気合入っちゃうよねー」
「やばいよねー。こういうのかなり嬉しいかも」

来年への気合をためる二人を知る由もない。










「梅さーん」
「あら、猿野君(微笑)」
階段で塁にばったり会った天国はそのまま包みを取り出して。
「はい、お返しです」
「まあ、くださるの?(嬉)」
「そりゃあ」
天国はふわりと笑って。
「わざわざ手作りチョコ持って来てくれたんですし。美味しかったですよ」
「あ、ありがとうですわ(照)」
「来年も期待してますからよろしくお願いしますね」
「もちろんですわ(萌)」
にこりと返した塁の頬が赤く染まっていたのは仕方のないこと。





「チョコの催促が嫌味にならないのは流石ですわね…(惚)」

ここにも来年への気合が入ったのは言うまでもなく。















そして放課後 部活の時間。



「もみじ、礼の礼な」
そう言って包みを渡せばもみじは真っ赤になった顔のまま。
「あ、ありがたく受け取っておいてやる!……っ」
言葉の詰まったようなもみじに天国は柔らかく微笑んで。
「ん?」
「…あ、…ありがとなっ」
更に真っ赤に染まった顔でもみじはそう言うと走り去って。

「…いじわる
かも

右下から聞こえた声に目線を落とせば檜がもみじの去った方向を見ていて。
「なーにが。ほい、お返し」
くしゃくしゃと髪の毛を撫でて反対の手で包みを渡す。
「…ありがとう…
なの
えへへ、と可愛らしく笑う檜に天国もつられて笑って。
「キャンディー多くしといたからな」
「…ホント?…嬉しい…
かも
より嬉しそうに笑う檜の髪を再び撫でてニッコリと笑って。
「喜んでくれて嬉しいよ」
「ん。…じゃあ、部活頑張って

包みを大事そうに抱えて去る檜に天国はくすくすと笑って。

「さてと」

そう言って振り返る。



「凪さんで最後です」
「あら、私が最後なんですか?」
にこりと笑う凪に天国もにこりと返して。
「やっぱり最後は本命で閉めないと」
「ふふ、冗談ばっかり。沢松さんはどうしたんですか?」
「沢松はあげる側ですよ?」
天国は笑ってそう答えて。
「まあ、とにかく…。バレンタインのお返しです」
「ありがとうございます」
受け取った凪の手の上に天国は更にもう一つ包みを置いて。
「マシュマロ、余っちゃったんで貰ってくれます?」



包みの中身は真っ白なマシュマロのみ。



凪はくす、と笑って。
「喜んで。」
そう言って受け取った。




















バレンタインに貰った貴女のキモチ。


柔らかく包んでこの身に取り入れて。


ありがとうのキモチを新たに包んでお返しします。










真っ白な、マシュマロのように。






























実は密かにそれぞれの学年の女子にお返しを渡す天国を見ていた野球部面々。
一・二年はエラーの連発、指導に当たっていた三年もいまいち的を得ない指導だったのは言うまでもない。






END

卒業式が何日頃あったのか記憶が曖昧なんでどうにもできないんですが…
卒業式前でまだ授業してる設定でオネガイシマス。
そして女マネ二年…口調を気にしたら負けです!!!(何)

はい、ホワイトデーフリーssです。
バレンタインに続け!なので続きっぽく。
マシュマロには
チョコレートに託された女性の思いを柔らかく包んで「ありがとう」の気持ちを返す
って意味があるそうですよー。

ていうか沢猿部分は書いた方が良いんでしょうか。
一応考えてはあるけど書く時期逃したっていうか…ら…来年?(マテ)
時間が欲しいです…。

2003.3.14 神条 魁


神条さまのサイトより、フリーだったんで強奪v
え、載せるのが遅いって?きにしなーい♪(殴)
うわぁ、女マネ猿、す、素敵だvv
そして、なにより、天国が素敵すぎvvvもう、メロメロ(死語)ですよ!!はうv
私も天国の手作りお菓子がほしー!!

神条さま、どうもありがとうございましたv今後も頑張ってくださいませvv



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