「お主を行かせはせぬ・・・」



それは今の俺っちには無理なことだった

いくら師叔の、
大切な太公望師叔言葉でも、その願いを叶える事はできない

俺っちには時間がないさ

たとえ、師叔を倒してでも・・・
俺っちは行かなくてはいけない



「俺っちは行くさ」



この意志を曲げることなどできないさ・・・





ココロノナミダ。






「どうして、どうして、お主まで・・・」



師叔の表情が悲しそうに歪む

背中から剣を突き刺された俺っちはそんな師叔の表情を見つめた
そんな表情をしないで欲しいさ



「天化・・・天化!!!」



消えゆく意識の中で師叔の、俺っちを呼ぶ声が何度も聞こえる
悲痛な、すまぬ、との許しを請う声が聞こえた
謝られることなんて師叔はなにもしていないのに



「師叔。泣かないでくれさ・・・。俺っちは少しも後悔はしてないさ」



そんな悲しい表情など見たくなった。
師叔にはいつも笑っていて欲しかった
その笑顔がいつも俺っちの救いだったから・・・



「泣いてなどおらぬ!泣いてなど・・・!」


「泣かないでくれさ・・・」



師叔はやっぱりウソつきさ
俺っちには師叔が泣いているのが分かった

実際に涙が流れているわけではない

心が
心が流す涙を感じたから



「お主はバカじゃ。余生をのんびりと楽しく生きる道も残されていたのに・・・。バカじゃ・・・」


「・・・すまないさ。でも、俺っちは、この、この生き方を変えることはできなかったさ」


「バカじゃ・・・」



あぁ

また一筋の涙が零れた

泣かないでほしいさ

こっちまで悲しくなるさ?


普賢さんが封神された時の師叔の悲しみようを見たとき、俺っちだけはそんな思いをさせまいと思ってたのに
俺っちまでもが泣かせている・・・

許しを請うのは俺っちのほうさ

俺っちの死が師叔を悲しませるのだから・・・



「・・・師叔、笑ってくれさ?」



でなきゃ、心残りができてしまうさ

そんな心が通じたのか、
泣きそうな表情だったけれど、霞ゆく視界のなかで微かに微笑した師叔が見えたような気がした



あぁ、やっぱり師叔には笑顔がにあうさ・・・








「天化・・・、すまぬ・・・」



太公望の顔からは涙が零れおちた

封神された天化の温もりが段々失われていくのを感じた


わしは後、どれだけ大切な人を亡くせばいいのだろう・・・



『・・・師叔、笑ってくれさ?』



天化の声が聞こえたような気がした

そうだった、
わしにはまだしなければならないことがあるのだ

まだ、泣くことはできない
天化が残してくれた最後の仕事がある

心の流した涙を拭うかのように極上の笑みを浮かべた

今、出来るこれが一番の天化へのはなむけ




「天化・・・、それまで、お主の願いを叶えよう・・・」







End




***あとがき。***
ひかりさま、こんなヘボ小説ですみませぬ(= =;
許してください!!こんなのと、素敵な王喜小説と交換なんてι
ゆ、許して〜(泣)
しかも、こんな暗い話ですみませぬι本当に天望かよ?と自分でも疑ってしまうわ。
それに、なんとなく前に書いた「全ては・・・」に被ってるよーな気が(死)
もう、ダメです。バカはやっぱ、死ななきゃ治らないんだね・・・(遠い目)





SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送