嘘偽りない言葉。








「駄目」
「なんでよ!」
「駄目なもんは駄目。だろ?」


同意するよな?と言わんばかりの視線をナルトはシカマルに向けた
きっと反対したら当分おもちゃ(いろんな意味で)にされること間違いないだろう
なんでこんなことに…。めんどくせーとシカマルは溜息を付く


「あぁ。イノも、今回は危ない任務なんだ、いい加減諦めろ」
「ほら。シカマルだってこう言ってるし」


な?とにっこりとナルトはイノに微笑んだ
この完璧な微笑みは、これ以上我侭をいうなと意味もこもってるだろう
が、イノはそれを無視して、というか気付かず、下を見つめたままワナワナと震えた
その様子に、泣かしたか?とナルトとシカマルの2人は後悔し始めた
泣かせたいわけじゃない
ただ、本当に今回の任務は危険なのだ
いくらイノがその辺りの下忍よりも強いからといって、まだ連れていけるほどではない
守ってやれる程度の任務ならともかく、安全を確保してやれない場所にまで連れて行っては、心配の為に任務を失敗しかねないのだ

が、


「ずるい!」
「「…は?」」


何故か、ようやく顔を上げたと思ったイノの第一声はコレだった


「な、なんで?」
「シカマルばっかり連れて行くなんてずるい!そりゃ、確かにシカマルの方が私よりは強いのは明確だけど、贔屓よ!!」
「ひ、贔屓って、別にな?シカマル」
「あぁ、されてないぜ?」
「してる!!」


余りのイノの迫力に押されたように二人は後ろへ一歩下がった
が、まだまだ言い足りない事があるのか、イノの熱弁はまだまだ続く


「第一、いつもいつも二人一緒だし!」


そりゃ、本性を知る数少ない同年代の友達だしな、休日くらい遊ぶし。というナルトの言葉も今のイノには届かなかった


「私がナルトの家に遊びに行くと大抵、シカマルまで付いてくるし!!」


いつも重なるだけだろうが、お前と俺は休みは一緒なんだし…。というシカマルの言葉も軽く無視される


「私には解らない話を二人で楽しそうにしてるし!!!」


いや、暗号解読して遊んでるだけだし。分からないってだけで、当たられても…
なぁ?
というような会話を突っ込む気力がなくなり、目線ですれば


「こうやって二人で解りあってるし!!」


といち早く察知してひがまれる…
もう溜息しか出てこなかった


「おい、ナルト」
「なんだ…?」
「こいつをなんとかしてくれ。お前の言う事の方が聞くだろう」
「…わかった」


仕方がない、と割り切るとナルトはイノの肩を掴むと、くいっと自分の方を向き直らせた


「おい、イノ」
「何よ!」
「今回は駄目。絶対に。危ないって言ってるだろうが、この俺が。他人まで守ってやれる自信がないんだ」
「でも…!」
「シカマルは、いいの。こいつ、最近じいちゃんから暗部入りの許可貰ったから、部下として連れていくんだし。イノももっと強くなったら連れてってやるから」
「…本当?」
「本当」
「絶対?」
「絶対。…イノ、俺がお前に嘘付いた事あったか?」
「…ない」
「だろ?だから、今回は我慢しろ。分かったか?」
「うん」


しぶしぶと頷くイノにナルトはなら、よろしい、と仰々しく頷き返した


「代わりに、今度の休みには何でも言う事聞いてやるから」
「…ほんと?!」


元気が無かったイノが途端、嬉しそうに目を輝かせた
現金な奴だよなぁ、と思わずシカマルは苦笑した
にしても、なんだかんだと言って、ナルトはイノに甘い
甘すぎる
自分に対しては今回のように我侭を言おうものなら足蹴にされて「なんか言ったか?」とか言われそうなものなのに…
イノが羨ましい、と思ってしまうのはいけない事だろうか?


「で、何がいい?」
「デートしてv」
「嫌だ」
「えー!なんでよ!ナルトが何でもいいって言ったんじゃないの」
「恥ずかしいから駄目」
「じゃぁ、家で二人で過ごすの!家でなら誰もいないからいいでしょ!!」
「…わかった」
「やった!!」


飛び跳ねて喜ぶイノとは対照的にナルトはげっそりと疲れた表情で溜息をついた
余りの違いにシカマルは思わず笑ってしまった
途端、それに気付いたナルトにキッと睨まれて背筋を凍らす事になるのだが…


「…早く行くぞ」
「え、もうか?ちょっと早くないか??」
「…誰かにあたらねーとやってらんねーんだよ」


なんなら、お前で済まそうか?とにっこりと微笑まれてシカマルは思わず後退った
ふんとその様子と一瞥すると、さっさと先に行ってしまった

どうやら、今夜の任務は荒れそうだ…


「…めんどくせー」


…今回のこの言葉に嘘偽りはない
しかし、惚れた弱みというべきか、誰かに彼の後ろを守らせる気はこれっぽっちもなかった
まったく、やっかいな奴に惚れてしまったものだ


「シカマルなんかに負けないからね!」


イノに挑戦的な視線を向けられた
どうやら、まだ先ほどの事に根に持ってるらしい


「今は俺がアイツと一緒にずっと一緒にいるから虫がつく心配はないぞ。ま、イノが強くなるのを楽しみにしてるぜ?」
「〜っ!見てなさいよ!今に追いついてやるんだからっ!!」


許せない!と言うように怒るイノに、喧嘩を買うように笑うと、既に姿の見えなくなったナルトの後を追う


「とりあえず、もっと練習の量を増やすべきだな…」


疾走しながらも、そんな事を考えてしまう辺り、イノの妙な根性が怖いのかもしれない
まだ、アイツの隣は譲れない







***あとがき。***
コンニチワ。今回はシカナルイノです。正確に言うと、鹿→鳴←猪のなるちょ取り合いな感じな組み合わせ。何考えてるんだ?とか思われそうですが、いいんです。好きですから!!
ちなみに、スレ設定だって気付いていただけると幸いです。いのちゃんも本来より強い設定なんですけどね、まだまだで、鹿となるちょにはまだ追いつけません。彼等は暗部です。しかし、いつかは暗部に入っちゃうでしょうが(笑)スレ万歳!!
ちなみに、WEB拍手公開用だったため、普段より短いですι(拍手にしては長いデスがι)あぁ、長いのでコレ設定j書きたいヨ・・・




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