それは永久なる約束の証…









engage ring












「おはようv」



その声に目を覚ますと目の前には満面の笑みの天国がいた

人前ではかけない眼鏡に、赤いエプロンを身に着けている

普段なら、ここで疑問にもつのだが、如何せん、寝不足で思考が鈍っていた

その寝ぼけた頭で、いつもの癖で彼の顔を引き寄せ、眼鏡を外してキスをした

そして彼をベッドに押し倒し、何分間も朝から長いキスをしているうちに意識が段々はっきりしてくる

驚いて現実に返り、自分から彼を引き剥がした

何故自分の家にいるのか?

何故笑っているんだ?

そんな疑問が頭の中をぐるぐると回る

が、直ぐに考えるのを止めた

こいつのやる事にいちいち驚いて、理由を考えていたらキリがない



「…なんで俺の家にいるんだ?」



俺のその言葉に眼鏡をかけなおしながら不機嫌そうな表情をした

どうやら俺は地雷を踏んだらしい

これは、かなり機嫌が悪い時の表情だ

一体なんなんだ?

だが、理由を本気で分かってないような自分を見て、直ぐに呆れた表情になった



「お前の、誕生日だろうが」

「あ…」



やっと気づいたみたいな俺の表情をみて、天国はため息を一つ吐いた



「バカ。自分の誕生日を忘れる奴がいるか…?」

「だって仕方ないだろ?自分の誕生日なんて興味ないんだし」

「仕方なくない。誕生日だからって、この俺が、態々起こしに来たんだぜ?俺が空しいだろうが」



なかなか凄い態度である

俺の誕生日なんだけどな…



「悪かった!」



とりあえず謝るべきだと判断した

せっかくの誕生日だというのに、天国の機嫌の悪いまま過ごしたくはない

必死に謝る俺を見て天国は頷いた

どうやら許して貰えたらしい

ホッと胸を撫で下ろす



「誕生日おめでとう、健ちゃん」

「ありがとな」



もう呼ばなくなって久しい名前を言われて照れてくる

天国もちょっと恥ずかしそうで、お互い、顔を合わせて笑いあった


純粋で美しい笑顔


心開いた者にしか見せない彼の笑顔を久しぶりに見れたことに嬉しくなる

中学の頃から偽わる事を覚えてしまった天国

学校では馬鹿な猿野の笑い

それ以外でも、嘲笑しかあまり見せなくなってしまったから



「なにが可笑しいんだ?」



別のことで笑ってしまった俺をジッと不審に見つめてきた



「なんでもねーよ」

「んっ…」



これ以上の追求を止める為に彼の口を塞いだ





深いキスを交わした後、突然、天国が思い出したようにポケットを探った



「えーっと、あ、あった」

「なんだ?」

「はい。これ。プレゼントな」



手渡されたものは、シルバーリング

俺の好みにバッチリあっている指輪だった



「こんなの欲しかったんだよ。どこで買ったんだ?」



自分好みのデザインでじっくりと見ながら天国に問うた



「あー、それ?前にお前にシルバーリング欲しいって聞いて探したんだけどさ、なかなかイメージに合うもんがなかったから自分で作った」

「作った?!…ま、お前ならできるだろうけど。流石だな」



手が器用な天国にとってはそんなに苦労するほどのことでもないだろう

けれど、自分の為に探し回ってくれて、無かったからといって作ってまで贈ってくれたことが何より嬉しかった



「サイズとかどうだ…?」



心配そうに見つめてくる天国を苦笑しながらはめてみせる

サイズはピッタリだ


「ん。ピッタリだぜ?」

「よかった〜。何しろ、初めて作ったから心配でさ。態々、この筋で有名な人んところまで習いにいったんだぜ?」



俺のもお揃いでつくったんだぜ?と笑いながら見せてくる

まったく、天国の熱意の入れように吃驚するばかりだ

まぁ、ハマると極めるまで!という彼らしいが…



「これ、気に入ったぜ。ありがとうな」

「お前がそう言ってくれるのが一番嬉しい」



本当に嬉しそうにいう天国が愛しい



「でも、あれ、だな…」

「え?」

「お前から指輪なんてものを貰うと、俺が逆プロポーズされてるみたいだぜ」

「…なぜ逆になるんだ」

「そりゃー、お前が下で俺が上だからだろ」

「沢松!!」

「おい。ちょっとまて、物を投げるのは止めろ!!」



天国が顔を真っ赤にして手当たりしだい物をなげてくる

ちょっとからかい過ぎたようだ



「俺が悪かった!だから、な?」



必死で謝りとおして許してもらった

結局、なんだかんだ言って、俺も天国には弱いが天国も俺には弱いのだ



「…ずっと、ずっと側にいろよ?」



突然、天国が小さな声で呟いた

それはまるで本当にプロポーズの言葉で



「あぁ。…やっぱりそれは俺の台詞だよな。…天国のこと、幸せにしてやるよ。お前の幸せは、俺が守ってやる」



そして、お互いの指輪を交換してから、はめあった



「これが、誓いだ…」



額をくっつけあって、くすくすと笑いあった



「じゃぁ、奥さんの料理でも食べますか」

「言ってろ」



照れたように、そそくさと台所のほうに天国は逃げていった

あーゆーとこが可愛いんだよな…

世の中に対して悲観的で、嘲笑してたりするくせに、時々、妙に甘えてきて、照れたように笑うところが

ま、俺だけの特権だがな…

そう思いながら微笑んだ



「沢松!ご飯が冷める!!」



俺を呼ぶ声が聞こえる

急いで立ち上がって、天国のほうに向かった




お互いの指にはシルバーリングがはめられている

ひとつには『A to K』の文字が

そして、もう一方には『Dear』と彫られている

これは、永久なる誓いの証…



「ずっと、側にいて、見守ってやるよ…」



俺は指輪に唇を落とした…













******あとがき。******
えー。本当にもう一作書いちゃいました。沢松祝い計画第2弾っすιそして無理やり眼鏡猿(死)
前作「make a vow」とこれを足して余計なとこ省いちゃったが元ネタだったり。
だから、冒頭部分がほぼ同じだったりするんですよιそして、どことなく似ているのはこのためι
実は、これの最初の方は「make a vow」より早い段階に書かれていたりします。これを最初に書いてたんですけど、なぜかネタと違う方向に進んでいったので慌てて書き直したのがアレ。でも、指輪ネタが消えちゃって不完全燃焼だったから、急遽、捨てたはずのこの小説を付け加えて完成しちゃったのですιだから。
あう。みんなにダメージ受けさせて、さらってって、指輪を貰う沢松話だったのにー(;_;)どこで、どう間違えたのやら…(遠い目)
にしても、いつもより(よりを強調!/笑)はエロいっすな…(爆)沢松氏ったら、いつもの癖で押し倒すなんてv(笑)

なんか、ちょっと、だんだん、自分に悲しくなってきましたよ…ι



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