○月×日晴れ
起きて直ぐになんだか嫌な予感がしたかも…
猫神さまに何が起こるのか聞いてみたの
するとお告げは「天国に害虫ニャ〜」て出たの
今日一日、多忙かも…










Battle Daily
















野球部のマネージャーである、檜の朝は早い
部員のみんなは気を使って、もう少し遅くてもいいとは言うのだが、それでは悪いってことで、結局は殆ど変わらない時間に登校している
朝起きると、なんだか胸にもやもやとした感じがした
嫌な予感に、猫神さまに聞いてみると、朝から嫌なお告げ
どうやら、今日も天国を狙った害虫(恋敵ともいう)が湧くらしいとのこと
影ながら払っても払っても懲りずに寄ってくる者にハッキリって殺意が芽生えたりするかも…
天国は基本的、人に優しい
もちろん、基本的にだが
嫌われるのが怖いから、傷つくことを恐れるから、だから、迷惑な害虫に対してなかなか嫌と言えないのだ
心の中では過度なスキンシップしてくる奴だとかに怒りくるってるだろうけど…
いや、実際に影ながらキレてたりする天国を檜は知ってる
これだから、二人で町で出かけて絡まれたりした時の天国のキレっぷりは凄かったりする
ああやって、ストレスが解消されてるのだろう
でも、学校では鈍感で通してる天国は、表立って反撃できない
だから、天国に内緒で撃退するのは私の役目なのだ


焼きたてのクロワッサンに熱々のスクランブルエッグとサラダを紅茶でいただく
いつもならこんなに朝食はとらないけれど、今日は特別
朝から体力を使いそうだから


「気合い、いれなきゃ…!」


小さく拳を握って気合いをいれ登校をした
今日も大変な一日が始まる…









天国は保身のために朝は遅刻ギリギリだったりする
以前、こうでもしなきゃやってられないんだよ、と愚痴を溢していた
確かにそうだろうと思う
私でも、四六時中周りによってこられたら(しかもみんな獲物を狙う狩人の目だし)怖いだろう
いや、その前にウザイこと間違いなしである


「おはようなの…」
「おはよう、不思議少女!今日も猫神さまと一緒か〜?」


今日もギリギリに登校してきた天国を見つけて挨拶をすると笑顔で返してくれた
嬉しいんだけど、学校での天国は名前を呼んでくれないのが不満かも…
でも、それは仕方のないことで


「煩いかも…」
「うがー!」


あんまり仲がよくない振りを自分もしなきゃいけなくて、それがとても悲しい
ここでは、一人の部員と一人のマネージャーでしかないのだ
それなのに、
自分はこんな気持ちにならなきゃいけないのに
こんな立場に準じなきゃいけないのに


「猿野、遅いのだ!!罰として僕とストレッチするのだ」
「チェリオ君は僕と特訓をするんだよね?」
「オッレとだよなッ?!」
「なんでお前と猿野が練習しなきゃならないのだ!」
「そうだよ。君はちょっと引っ込んでいてくれないかな?」
「…二人とも、猿野殿が困っておる也」


なんてベタベタと私の天国に、天国に、天国に…!!
かなり今日も害虫にはムカツクかも…
特に3年が権力を振りかざして、困ってる天国を無視してる辺りがもう許せない


だから、実益とストレス解消のために駆除を始めることにした









天国に近づく主な3年は牛尾先輩、鹿目先輩、蛇神先輩、獅子川先輩の計4人
でも、まぁ、後者の二人は別にいい
蛇神先輩は天国の嫌がることをしないし、なにより、暴走する害虫達のストッパーたる存在
そんな人は大切にしないといけないだろう
そして、獅子川先輩にいたっては眼中になかったりする
害はないだろうから、わざわざ手を下すまでもない
よって、問題は牛尾先輩と鹿目先輩の二人
二人、と言えど、かなりの強敵だ
とりあえず、まずは1人ずつ減らす(退治する)ことが先決である
まずは鹿目先輩をターゲットにすることにした
あの牛尾先輩から目を離すのは危険だが、まぁ、仕方が無い


「あの…、鹿目先輩、手伝って欲しい、かも…」
「なんで僕なのだ?そんなこと一宮にでもやらせておけばいいのだ!」
「女子では無理で…。一宮先輩は、今、別の事手伝ってもらってる、かも…」
「ほっぺ先輩、ここまで言ってるんだから手伝ってあげればいいじゃないですか!」
「わかったのだ…」


天国にそこまで言われてまで断っては、彼の心象を悪くすることは必須で、しぶしぶ檜の頼みを鹿目は了承した









「で、何を手伝えばいいのだ?」


機嫌の悪い鹿目を人目の無い場所へまで引き連れていく
目指す場所は体育倉庫である
…つまりは、相手の弱点をつけばいいってことで
鹿目は女マネで、しかも、大人しい檜がまさか、自分を排除しようなどと考えてもいないはずだから簡単である


「ここにある物を運んで欲しいかも…」


扉を開けて中を指を刺す
薄暗い中の様子に鹿目の表情は引きつっていて、実際にその様子を見ると、この作戦は成功しそうだと思い、檜は心の中で微笑した
ビクビクとしながらも中を覗く鹿目の背中を檜は思いっきり押した


「うわぁっ!!」


前のめりの体勢になり、倒れるのを防ぐためにヨロヨロと数歩あるきながらバランスを取る
ようやく落ち着いて、後ろから衝突したと思われる檜に、文句の一つでも言ってやろうと振り返って初めて鹿目は気づいた
自分が暗闇の中にいるということを
扉が何故か占められていて、あるのはただ闇のみ


「こ、怖くなんかないのだ!そ、そう、こ、怖くなんてないのだ!」


必死に自分に言い聞かせて扉を開けて逃げようとするも、何故か開かなかった
頭の中は恐怖で真っ白だ


「ぎゃーー!!くっ、く、暗闇、こ、怖いのだー!!だ、だ、だだだ出すのだーーーー!!!!」


ドンドンと扉を叩くが、開くこともなく、鹿目の意識は恐怖で遠のいていったのだった


「一匹目、排除完了、かも…v」


静まり返った体育倉庫をみて、檜はとても嬉しそうに微笑んだ


「残り一匹…。でも、手ごわそうかも…」


なんといっても、相手はあの牛尾先輩である


「頑張る…!」


猫神さまをギュッと抱きしめ、再度気合をいれるのだった









「鹿目先輩、遅いっすね」
「ハッハッハッ。君が気にすることじゃないよ。それより、早く二人で練習しようじゃないか!」
「は、はぁ…。あの、その前に手を放してもらえませんかね?」
「遠慮しなくてもいいんだよ、君と僕との仲じゃないかv」
「…どんな仲です」


グラウンドに戻ると天国は未だ牛尾に付きまとわれていた
天国がかなり嫌そうな表情をしているのにも関わらず、気にも止めず、ベタベタしてくる牛尾先輩に怒りが沸々と湧いてくる


「あの、猿野君…。ちょっと手伝って欲しいかも…」
「おう!女マネの頼みは凪さんの頼み!!手伝うぜ!あ、そういうことですんで、キャプ、すみません!」
「ちょっと待ちたまえ!君が行く必要はないよ。人手が欲しいというならレギュラーじゃない者から出すべきだろう!そうだ、そうすべきだね」
「・・・」


そんな牛尾に天国は冷たい視線を向けた
何故そのような視線を向けられるのか理解していない牛尾は不思議そうに天国を見つめたが次の彼の言葉で固まった


「キャプがそんな人だとは知りませんでした。失望しました」
「いや、あの、そのだね…」
「不思議少女、行こうぜ!」
「う、うん…」


弁解しようとしている牛尾を無視してその場を立ち去る天国の態度に、牛尾はショックで再度固まった
この場にたまたま居合わせたある人間は、この事を後日、「人間は言葉で凍るものなんっすね…。人間でボーリングが出来るなんて初めて知りましたよ…(遠い目)」と語ったらしい









「くくくっ。檜、ありがとなvこれで、当分はベタベタしてこないだろうし、何より面白かったぜ?」
「喜んでもらえてよかった、かも…」


結局、キャプがあの状態で、鹿目が謎の失踪をしたとなっては今日は部活にはならないだろうと判断した二人はとっとと帰ることにした
人目を気にせず帰れるのは本当に久しぶりで嬉しくてしかたがない


「キャプのは俺があぁいう発言をするって狙ってか?」
「…あぁするのが、一番聞くって猫神さまが言ったかも…」


なんだか自分の行動がとたん恥ずかしくなって猫神さまに顔を埋めた
そんな檜に天国はくすりと笑って猫神さまと私の頭をそっと撫でた


「なら、猫神さまにもお礼を言わなきゃなv」
「…うんv」


そうやって微笑む彼が好きで
自分をこんな風に撫でてくれる手が大好きで
本当に幸せ
だから、


「あのね、頑張るから…!!」


彼に集る害虫駆除を今後も頑張ろうと誓うのだった








ちなみに、鹿目は片付けの時間になってようやく発見されたという
そして、何故か、誰にそんなことをされたかというのが鹿目を始めとして誰の記憶にもなかったらしい
ただ、あるのは恐怖の記憶のみだったとか…














***あとがき。***
今回は鷹瀬真琴さまの相互リンクのお礼な内容となってますvそ、相互リンクしてからかなりの時間がたってしまいましたιごめんなさいιそして、本当に相互リンクありがとうございますv
牛さん方3年生絡めた猫猿。そして、先輩方を出し抜く猫さん…。あの、出し抜いてますかね?私の脳内変換機能が勝手に「出し抜く」→「撃退」に働いちゃったらしくこんな内容にι猫さんがやけに黒いです。自分でこんなはずでは!(泣)と叫びつつも書き続けましたヨ(死)
ちなみに蛇さんが被害を受けてないのは贔屓です(笑)蛇さんが好きなので、よい人柄だろう!と見解をv獅子さんは見た感じの扱いなんです、うちではねv(爽)そして、牛さんボーリング疑惑はお好きに想像してください(笑)一体、彼の身に何が?!(爆)
お、お待たせした割には、こんな駄文で本当にごめんなさいι書き直し受け付けますので!

03.6.19 「月華の庭」みなみ朱木



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